もう10年以上前からイランに行きたくて行きたくてウズウズしていた。世界の半分と言われたエスファハン、ギリシャ時代の遺跡の残るペルゼポリス。その他にもガソリンが異様に安いおかげで、90年代前半には国内線が片道数百円だったという噂まである、日本とは全く違う世界の砂漠の国。
そんなイランに行きたいと、ずっと思っていた。
そして2012年、積年の夢が叶い、やっと行くことができた。ペルシャに行きたい人も多いだろうから、忘れないように行き方と行ってきた感想を書いておこうと思う。
平成24(2012)年8月現在:1ドル=80円、1バーツ=2.6円
0.必要なもの
- ビザ・・・今は必要
- 現金・・・とても大事
- 航空券・・・どのフライトで行くか?
- ホテル・・・初日ぐらいは宿が欲しい
1.ビザ
旅行代理店経由で手に入れよう!
かつてはアラビア石油が油田を開発していたりと、日本とイランは交流が多かったから、ビザもいらなかった。しかし今はビザがいる。『地球の歩き方』(いま日本語で手に入る唯一のイランへの旅行ガイドブック)などを見ているとe-visaという、外務省のサイトから申請しておいて、それを日本のイラン大使館で受け取る方法もあるのだが、そもそもかつてはWeb上からビザ申請できたようなのに、今はなぜかサーバーダウンのようでできない。他にも現地でアライバルビザももらえるという話まで書いてある。また、トルコのトラブゾンというところでイランビザを1日でゲットできるという噂もある。しかし情勢は流動的なようだ。確実にビザが欲しい場合は、やっぱりテッパンの方法を採るべきだろう。
そう思い悩んで6月半ば、どうしても確実に行きたかったので、在京イラン大使館に連絡した。
「ビザについて聞きたいんですが」
「はい、なんでしょう」
「観光ビザを個人で取るにはどうしたらいいですか?」
「ツアーに申し込んでください。一人で観光したいですか?」
「はい、一人で行きたいです!」(ここは誠実に答えよう!)
「じゃあ、旅行代理店を通じてビザを申請してください」
ということで、ネットで見つけた旅行代理店を通じてビザを申請した。どうもKey to Persiaという代理店が30ユーロで底値みたいだけど、それを知らなかった僕はLovely Iranという会社に申請した。手数料だけで50ドル。
- 必要事項をネットで送る
- 申請手数料を海外送金(おそらく1週間ぐらいかかった)
- 代理店がイラン外務省にビザ手続きをして、外務省から代理店経由で連絡があり(1週間後)
- 日本のイラン大使館にビザ発給可能かどうかを確認(3日後)
- ビザ発給代金を振り込んでから、郵送でパスポートを送る
- パスポートが返送される(10日後)
2.航空券
メール攻撃で頑張ろう!
僕はバンコクで1年間有効のチケットを発券をしているので、毎年夏にはバンコクに帰らなくてはならない。今年はその期限が8月下旬だった。そして今年のラマダンは8月下旬に明ける。このタイミングで行くしかなかった。バンコクからイランに行く方法で、調べたのは以下の三つ。選んだのは3。
- スターアライアンス系の航空会社
- LCC
- 直行便
スターアライアンス系でイランに飛んでいるのは、ルフトハンザがテヘランまで、トルコ航空がテヘランとマシャドまで飛んでいる。いずれにせよバンコクからは12万円以上する、かなり高いフライトだ。トルコ航空が安かったかな。時間は悪いけど、イスタンブールでは観光した後に乗り継げる、と割り切れば良いだけの話。
2.LCC
LCCでイランに飛んでいるのは、エアアジアのみ。ネットで検索したらエアアジアのバンコク-クアラルンプール-テヘランが一番安いと出てきた。多分7万円ぐらいで行けるはず。クアラルンプールからテヘランまでがUSD800だった。
3.直行便
しかし調べてはみるもので、もしかしたら直行便があるかもしれない、と英語版wikipediaなんかを駆使してIran Air(イラン航空)とMahan Air(マハン航空)がバンコク-テヘランに直行便を設定していることが分かった。早速両者にメールをしてみた。
- Iran Air(イラン航空)このアドレスは国内線予約専用です。国際線の予約は以下の電話番号に連絡してください。
- Mahan Air(マハン航空)発券可能です。バンコク-テヘラン間は20,320バーツです。
ちなみに「マハン航空」と検索するとこんな記事も出てくる。
対イラン圧力、国際社会に強化を要請 米国務長官
「財務省が新たに制裁対象に加えたのはイランのマハン航空。暗殺計画に関与したと米政府が指摘しているイラン革命防衛隊の精鋭組織「コッズ部隊」と緊密に連携し、工作員や武器、資金を輸送しているという。」
アメリカ国内では給油させてもらえないらしい。かわいそう、というか危ないんじゃないの。でも、気にしないでおこう。
3.ホテル
こちらもメール攻撃で頑張ろう
イラン系の会社はなぜかオンライン決済ができないので、ホテルもオンライン予約ができない。埒があかないのでネットで見つけたテヘランのホテルに絨毯爆撃のようにメールを送った。そしたら1件からのみ、返信があった。そのホテルに初日の予約と、空港までの出迎えを依頼した。占めてUSD130(ホテル代USD100+送迎代USD30)。しかしイランリアルで払えばもっとお得らしい。近くに両替店もあるから、そこで両替したらいいよ、と教えてくれた。そのままUSDで受け取って自分たちの利益とすればいいはずなのに、お得な方法まで教えてくれるとは。いい人たちだ。
4.その他
現金を持っていこう
イランではアメリカの制裁が強いせいか、T/Cやクレジットカードが使えないらしい。だからUSDやユーロといった外貨の現金を持って行って旅行するしかない。これは怖い。だから初日のホテルもいいところ(イラン人の世帯月収は4万円)を取ったし、送迎も頼んだ。イラン情勢
これを書いている現在でもYahoo!Newsなんかでイランを検索すると・・・- イランと戦争なら死者500人、1カ月の交戦に=イスラエル閣僚
- イラン地震の当局対応に批判高まる、救助活動も早期打ち切り
- イラン警戒でメール試験=ミサイル攻撃想定―イスラエル
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